和英辞典で「うさぎ」と引くと、2つの単語が出てきます。
ひとつがおなじみのrabbit、そしてもうひとつがhareです。
「え、hare? なにそれ?」という方も多いのではないでしょうか。
私もうさぎといえばrabbitだと思っていたので、どうやって2つの単語を使い分けるのかわかりませんでした。
よく見ると、辞書のhareの横にはカッコで(ノウサギ)とあります。
野生のうさぎがhareってこと?
じゃあ飼っていたうさぎが逃げて野に帰った場合は、「うちのrabbitは逃げ出して、今はhareとしてどこかで生きているよ」っていうのでしょうか。
そんなことはありません。
じつは、同じうさぎでもrabbitとhareは種類が違うんです。
ペットと野生という違いではなく、種類の違いで見分ける方法を3つ紹介します。
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rabbitとhare 見た目の違い
まず見た目が全然違います。
rabbitとhareをそれぞれ画像検索してみると、違いは一目瞭然です。
ペットとして見なれたrabbitのかわいらしい見た目に対して、hareは野生っぽさあふれる筋肉質な体つきです。
上の写真は二ホンノウサギで、英語圏の国で見られるhareよりはおだやかな顔つきをしています。
それでもペットのうさぎよりは大きく、体つきががっしりしていますよね。
見た目の違いをまとめるとこんなかんじです。
rabbit
・丸くて小さめ
・耳が短い
・毛はふわふわで、カラーバリエーション豊富
hare
・筋肉質で大きな体
・(遠くの音も聞こえるように)耳が長い
・(速く走れるように)足が大きい
・夏は灰色がかった茶色だが、冬には白い毛に生えかわる
rabbitとhareの住む場所の違い
見た目だけでなく、習性にも違いがあります。
ペットとして知られているうさぎ(rabbit)の先祖は、ヨーロッパやアフリカ原産のアナウサギ。
その名のとおり、野生では地面に巣穴を掘って暮らします(rabbit=ペットではありません!)。
群れを作って、何匹かでいっしょに生活していることが多いようです。
あまり巣穴から出てこず、子供を育てるのも地下の穴の中です。
一方hareは、これと真逆の生活スタイル。
地下に穴は掘らず、子育ても地上で行います。
草原や森林をぴょんぴょんかけまわっていて、危険が迫ったら素早く逃げていきます。
しかも基本的に単独行動。
群れは作らず、夫婦で行動することがあるくらいだそうです。
安全な穴の中で家族と暮らしているアナウサギと比べると、なんというかかなりワイルドですね。
大きくて長い耳や、速く走れる足を持っているのも納得です。
rabbitとhare 生まれたときの姿
最後の違いは赤ちゃんのときの姿です。
上の写真は、生まれてから何日か経ってモコモコになっていますが、ここで注目したいのは生まれた直後の姿。
アナウサギ(rabbit)は、生まれたときはまだ毛が生えていません。
生まれてから1週間くらいまでは耳が聞こえず、目も見えないそうです。
体も片手に乗ってしまうほど小さく、つい守ってあげたくなる赤ちゃんらしさですね。
一方の野うさぎ(hare)はというと。
生まれたばかりでもちゃんと毛が生えていて、目もぱっちりです。
厳しい野生の世界で生きていく準備万端。
シカや馬の赤ちゃんが、生まれてすぐに立とうとするのは有名ですね。
あれと同じ強さを感じます。
野うさぎの巣が地上にあり、敵におそわれやすいことが関係しているのでしょうか。
生まれた瞬間から、とことんサバイバル重視なうさぎです。
rabbitとhareの違いまとめ
・見た目が違う
・巣を作る場所・生活スタイルが違う
・赤ちゃんのときの姿が違う
こうしてみると、なんかもう同じ種類の動物とは思えませんね。
「うさぎ」とひとくくりにするには、あまりにも真逆。
rabbitとhareという2つの呼び方があるのも納得です。
ちなみにうさぎにはbunnyという呼び方もありますが、これは日本語にするなら「うさちゃん」。
小さい子が使う言葉で、特に種類の違いはありません。
同じ「うさぎ」でも、いろいろな呼び方があっておもしろいですね。